梅か桜か?
2006年 06月 09日
奥さんが今日も適当に庭のお手入れ。
奥さんが申すところによればですね、
「庭の手入れとか嫌いなの、時間勿体ない」
という事だそうです。
それが10年ほど前に改築したお祝いに梅の木をもらっちゃった。
「植えないわけにもいかないし、枯らしたら枯らしたで何か言われそうでねえ」
そうね、あんまりお祝いに庭木はあげたりしないと思うんだけど、僕。
まあ貰っちゃったからにはしかたない。
庭に植えておいたら幹も15cmほど、高さも背丈ほどに成長し、春先には僕の家からも梅の花の観賞が出来ます。
白くて大きな花でね、結構綺麗。今年は特に満開でした。
今は青々とした葉が涼しげです。
と、そこに颯爽と自転車で現れたる1人の御老人。
道路脇で自転車にまたがったまま声をかけます。
「奥さん、その木なんだい。梅かい、桜かい」
「うん、これね、梅よ」
「梅だったらね、もっと枝はらわなきゃ駄目だよ」
「うん~、このへんから切っちゃっていいの?」
「いや、花が終わった後、そこ、そのへんから」
「花は咲かせても良いの?」
「花はいいよ。実は?取るの?」
「いや~、そこまではあんまり‥‥‥」(だんだん鬱陶しくなっている様子)
「や、梅はね、こう、このへんをもっとバッサリ‥‥‥」
「うん?ああ、このへんからねえ‥‥‥」(だんだん返事も適当に‥‥‥)
「や、もうちょっとこっちから‥‥‥」
「まあ、花が見れればいいから、うちは」
どうやら恰好からして職人さんか何かのようですね。
と‥‥‥御老人、何かに気が付いた御様子。
「いや奥さん勿体ないよ、こりゃにっこうだもん!」
「にっこう?」
「そう、日光。最高級の梅だよ。買おうったってそうそう手に入るもんじゃない」
「あらそうなの?」
「いや~日光なんてね、そうそう売ってないから!大事にしないと」
フーン‥‥‥
‥‥‥
‥‥‥?
ちょ、ちょっとまったーーー!
さっき、最初に「梅か桜か」って聞かなかった?
なんでいきなり花も咲いていないのに品種とか出てくるの?!
梅と桜の見分けもつかないのに。
「実を採らないともったいないよ。あとこっちの小さいのね、これここにあっちゃいけない」
「これは植えたまんまだから」
「これ。これね、根だから、これここにあっちゃいけないよ。
これこっちよかして(注:よけて)、梅の根がねここにあるから。
これ、このつつじは?これあっちもってったらいいしょ。
で、このちっこいのそっちやって。
あ、奥さん、あれは?(自転車下りる)あっちは?」
‥‥‥奥さんと御老人、下手へ退場‥‥‥
まあつまりは‥‥‥通りすがりの庭師?の営業?だったみたいですね。
奥さん、御愁傷様です。御老人といって油断してはいけないねえ。